名古屋文化論~不思議なナゴヤの魅力 > ういろう

ういろう

数ある名古屋めしの中でも、その食文化を色濃く体現しているのが、この「ういろう」です。

名古屋には「おみやげ文化」があります。

つまり、

人の家に行く時には、「おみやげ」を
得意先に行く時には、「おみやげ」を

逆に、

我が家を訪問してきた友人には、「おみやげ」を
会議の際など帰りには参加者に、「おみやげ」を

渡すのが通例です。

何度も申し上げていますが、名古屋人は、とにかく見栄っぱりなので、「質より量」「安くてかさばる」というファクター(持ち運びなど相手のことは全く考えていない)が最重要です。

そして、これを見事に満たしているおみやげ・贈答品として、名古屋のういろう文化は繁栄しているのでしょう。

1本(非常に大きくて重い)が350円前後というコスパの良さから、様々なシーンで活躍しています。

なお、同じういろうでも、名古屋のは小田原や京都などのお上品な生菓子と違い、うまくもまずくもない、微妙なものです。

たしかに、ものすごく美味しいものだと、それはそれで相手に気を遣うし、「単にモノをやり取りする」という、名古屋文化においては、このくらいの塩梅がちょうどいいのでしょう。

名古屋のういろうの奥深さがわかります。