名古屋文化論~不思議なナゴヤの魅力 > 名古屋人の心・ナゴヤ球場

名古屋人の心・ナゴヤ球場

中日ドラゴンズの歴史は、名古屋人の歴史と言っても過言ではありません。

個人的に野球に興味がなくとも、ドラゴンズファンでなくても、地元の中日新聞が母体であることや、官民挙げての出資など、それが名古屋文化のひとつであることについては異論はないでしょう。

1997年に本拠地がナゴヤドームに移転する前の名古屋駅の裏にあった「ナゴヤ球場」時代には、みそカツやきしめんなどの(今で言う名古屋めし)ソウルフードが安価で楽しめたり、スタンドから東海道新幹線を眺めることができ、ナイターの試合では星空の下、パンタグラフから猛烈に火花が散るさまを見ることができたり、球場界隈が下町であることも含め、名古屋ののどかで牧歌的な風情を満喫することができました。

現在のナゴヤ球場は、2軍のグラウンドとなっており、2年前まではグラウンド内に昔の売店や、昔の内野席の名残がそのまま放置されていて、古き良き時代の遺構を伝えていましたが、耐震工事のため撤去されてしまいました。

とはいえ、球場周辺の下町風情は昔と変わらず、1年に1試合だけでいいので、ドームでなくて、ナゴヤ球場でやってくれないかなあ、と思うファンは私を含めて多くいるはずです。