名古屋文化論~不思議なナゴヤの魅力 > とっきんとっきん

名古屋ことば「とっきんとっきん」

幼少の頃に親から教えられたこと、というのは、その後、成長して一人前の大人になってからも、ふっと思い出すことがたびたびあります。

ああ、そういえば昔、母ちゃん、よくこんなこと言ってたなあ。

「えんぴつはとっきんとっきんにしとかないかんよ」

…お、おう。
現代はシャーペンだから、もう大丈夫だよ母ちゃん。

「とっきんとっきん」とは、「鉛筆の先がとがった状態になっている」というきわめてニッチな名古屋ことばです。

ですが、この話を名古屋の友人に言うと、

「あー!昔、自分も言われた言われた!」

と皆、膝を打つことでしょう。

気になるのは「とっきんとっきん」に代わる標準語が見当たらないところです。

他所ではどう表現してるんでしょう?

「とっきんとっきん」に限らず、名古屋ことばは音を繰り返す(反復型)語句が多いようです。

思い浮かんだものを列挙してみます。

  • 「ぱーぱー」 = 窓などを開け放つこと
  • 「ちんちん」 = 沸騰したてで熱い液体
  • 「しゃびしゃび」 = 氷などで薄まってしまったもの

まあ、どれも滑稽でいかにもな名古屋ことばであります。
田舎くさいともいいますか。